狭小敷地建つ        東京都品川区中延 T邸

・立地について

東京品川区内には、幅員4Mに満たないいわゆる42
条2項道路が多く、この敷地も現状幅員3.6M程度の
私道に面した敷地面積41.1・(約12.4坪)の狭
小な敷地である。

全景

・立て替えとなった

相談を受けた時既存の建物は築15年程度で敷地
目一杯に建っていた為、出来るだけ床面積を確保
する為には、既存建物を改造した方が良いのでは
と考えたが、施主の強い希望で建て替える事とな
った。

・敷地の基本条件

容積率は、160%の地域であるが、建ぺい率が60%
である上、道路斜線や北側斜線等の制限が厳しく
十分な床面積の確保は難航が予想された。

・基本設計決定まで

今計画では施主は独り住まいであり敷地も狭小で
ある為、思いきった提案が必要だと思った。実際
打合せに入ってみると施主は住宅に関して、はっ
きりした価値観と好みを持っており、施主の満足
の行く基本計画がまとまる迄何度も提案を重ね
た。これまでの私の作風は一言で云えば「ナチュ
ラルでリラックス出来る家」となるが、今回の施
主が期待している答えとはかなり異なる為、新し
いキャリアを積む良い機会になりそうだと期待し
た。何度も提案を重ね、数種類の模型で説明し、
施主の納得できるデザインにようやく、たどり着
く事が出来た。

2階

・今回のポイント

狭小な敷地では、総ての要望を取り入れる事は困
難な為、何を省くかが大事になる。そういう意味
では住宅にとって何が大事なのかを改めて検証す
る良い機会になったと思う。今回の計画では、普
通に玄関を取ると1階が中途半端になってしまう。
「玄関が外でも良いのではないか」と思い付、壁
で囲われてはいるが屋根のない外部を玄関とし
た。またこれ迄、私の一貫したテーマである「人
も建物も健康な住宅」という事に関しては、無垢
の桜の床板や水性塗装の壁に、天井は珪藻土仕上
げと自然素材で仕上げてある。シンプルでシャー
プさを持ちそれでいて暖かい家を目指したが、施
主の満足そうな笑顔が「正解です」と云ってくれ
ているようで嬉しかった。


2階キッチン

・建物案内

階玄関ドアを開け進むと、外からは家に中のよう
に見える玄関に入っても屋根は無く、上から明る
い光りが降り注ぐ広々とした外部とも内部とも付
かない多目的な玄関ホールが迎えてくれる。恐ら
く十分な敷地が確保出来れば思い付く事の無い空
間だろう。また内部では限られた広さの中で出来
るだけ気持ちの良い空間を確保する為特に2階は
縦、横方向共広がりの有る空間を創るよう心掛け
た。基本的に1、2階とも1ルーム的に使用する為、
一体感の有る空間としている。2階では壁の無い流
しの裏に階段を取り、台所に立つとその部分を含
めた広がりの有る空間が体感出来る。苦肉の作で
設けた玄関を囲む壁が、2階のリビングにおける広
がりを確保するのに一役買っている。(囲が有る
方が逆に広さを感じれる)隣の医師会館の庭の借
景も有り、密集したロケーションに有る事を感じ
させい。吹抜けからロフトへと繋がる開放感溢れ
る空間と、トップライトからの豊富な光が気持ち
の良い空間にしている。

2階吹抜け  

・最後に

いつもは、あれもこれもと出されるリクエストに
どうやって答えるか苦労し、ともすれば不要な空
間を創ってはいないか‥‥‥‥。

今回の家作りを通して、本当に必要な物は何なか
を再考する良い機会を頂いたものと感謝してる。


ページの先頭へ